高感度性能目当てでフルサイズ機の
α7を3月に購入したが、思っていたほどの感度性能がなく落胆していたところに登場したのが
α7S。最大の特徴は、ISO感度が常用で
102,400、拡張で
ISO409,600という化け物みたいなスペック。ちなみに
α7の常用最高感度が
ISO25,600なんで、
7Sの高感度耐性のすごさが数字だけでもうかがい知れます。
では、望遠撮影で高感度性能が向上するとどのようなメリットがあるでしょう。思いつくとこで、次の3点。
①暗所で撮影できる
当たり前ですが、暗いところでも撮影できます。併せて、感度耐性が上がることで暗所でもノイズが乗りにくくなり、きれいな画像で撮影できます。下の写真は、夜の東京駅。
ISO3200ですが、ノイズはほとんど気になりません。
②シャッター速度が稼げる
シャッター速度については、説明は簡単。動体を撮影する場合、シャッター速度が速いほうが被写体をビシッと捉えることができます。
α7Sでは、ISO感度を上げることで、通常よりシャッター速度を上げることができ、被写体ブレ対策に効果がでます。
下の写真は、夕刻7時頃の撮影。
タムロンの
SP150-600に
シグマx2テレコンを装着して撮影したもの。
ISO10000まで上げることで、
1/800のシャッター速度で撮影できました。手持ちでの撮影で、被写体もブレなく捉えることができました。
③レンズを絞りこめる
絞り値については、撮影時、通常よりレンズを1~2段絞り込むことで画質がシャープになる効果が得られます。特に望遠レンズでは開放側で周辺光量の低下が発生するケースが見られますが、
α7Sなら、感度を上げることで、絞りを数段絞ることができます。さらに、上の写真のように、テレコン装着時、F値が上がっても対応できるのも利点。F値の暗いレンズでもテレコンを装着して撮影できるようになります。
タムロンSP150-600mmを装着
α7Sに、
タムロンSP 150-600mmを装着して、具体的な数値を見てみましょう。安価な超望遠レンズ(といっても1本10万円以上しますが・・・)で、どこまでできるか、チャレンジです。ちなみに、
SONY用の
SP150-600は未発売なので、
STOKの
電子接点搭載キヤノン用マウントアダプター経由で装着してみました。
まずは、
タムロンSP150-600mmについて。超望遠レンズとしては安価な部類に入りますが、画質は良好。同タイプのレンズとして、
シグマAPO50-500mmがあるが、こちらは開放側で周辺光量の低下が顕著なので、画質面ではタムロンがオススメです。
SP150-600mmは、望遠側のF値が
F6.3とかなり暗め。日中の撮影では問題ないが、曇り空や夜間では、かなり厳しいスペックです。まあ、
CANON EF500mm F4Lなんて100万円近いですから、
SP150-600のコストパフォーマンスは高いと思います。
上野動物園で試写
ということで、さっそく
タムロンSP150-600を
α7Sに装着して上野動物園で撮影です。動物園内の不忍池テラスから。シャッター速度を
1/500に固定。絞りは開放F値で撮影していますので、撮影状況に合わせてISO値が自動で変更します。
なお、撮影はAPS-Cモードで行っているので、通常より画角が狭くなっています。画像はリサイズしています。ご注意ください。
まずは、広角端
150mm。APS-Cモードのため、225mm相当になります。
F4.5 ISO100。
ここから、中央の鳥の巣にズームします。望遠端で
600mm。APS-Cモードのため、35mm換算で
900mm相当です。
F6.3で
ISO160。この日は晴天だったので、
SP150-600でも問題なく撮影できます。
さらに
シグマの
2倍テレコンを装着します。
1,800mm相当。テレコン装着のため、F値は2段落ちます。このため感度は
ISO500になりました。
せっかくなので、
シグマの
1.4倍テレコンを付け足して、テレコン2段重ねで撮影。900mmx2倍x1.4倍で
2,520mm相当。
ISO1250になります。テレコン2つつけるとさすがに、画は甘い感じがしますが、感度アップによるノイズは感じられません。用途によっては十分使えそうです。
ついでに、絞り値も変更してみました。テレコンを外して
600mm(
35mm換算900mm)で、一気に
F22まで絞り込みます。
ISO2500になりました。α7Sの高感度性能の恩恵で、ISO2500程度では高感度ノイズはほとんど気になりません。
夜間動画撮影
動画性能についても。同じくタムロンSP150-600にシグマの2倍テレコンを装着しての撮影。お台場の観覧車を撮ってみました。撮影時間は夜8時過ぎです。